NPO法人LGBTの家族と友人をつなぐ会のトップページへ戻る

やっぱり女性として生きたい

私は男性の身体で生まれ、男の子として育てられてきたが、子供の頃から私も「女の子のようにスカート穿きたい」と自然に思えたのが事の始まりだったかしら?!

しかし子供社会の中で、いわゆる女の子みたいな男の子だといじめの対象になりやすいことを痛感していたため、私は女の子のように生きたらいけないのかと思い続けてきた。そのせいかもしれないが、いじめに遭いやすかった私は、自分への攻撃(例:自傷行為)ではなく、いじめる他者への攻撃(特に言葉だけでなく陰湿な精神的暴力)をエスカレートさせることばかりしてきた。これを言い換えれば、どちらかというと他人とは壁を作り、自分の意地を押し通す面が私にはあった。

その延長で学生から社会人になると、当然だが壁にぶち当たることばかりだった。しかし私も物流輸送に従事すると、顧客との人間関係さえ上手にこなせばやっていけることを知った。そして、いわゆる自分らしく生きていいことに私は本当に気付けた。更に私も「スカート穿きたい」と想い、おしゃれするようになると、気付けば女性との人間関係が主になった。やっぱり私は、女性として生きたいのだと本当に気付いた。

だが人生の中でかなりの割合を占める職業人生が男性としてでは、正直言って苦しい。所得が高ければ、その分で贅沢して穴埋めできたが、所得減少が生じると耐え難くなってきた。

そうなると、いわゆる女性の職業を選択したくなったのだが、全般的に低所得であることの他、MtF女性の私だと一般女性よりも就職に不利であることも受容した。しかしそうではあっても、敢えて専門性とキャリアを要する職業の一つといえる介護職を選択した。

職業における女性社会と介護職でやっていくのは、私にとってはまだスタートばかりである。だからなのか、転んだり悩んだりすることも色々とあるけれども、MtF女性としての職業人生の基礎作りの時期が当面続くだろうと思っているかな。

                          (MtF女性  晴子)