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カミングアウトに思うこと

先日、兵庫の小2の男児が性同一性障害らしいとのドクターの判断のもとに、その児童の学校では女児の扱いをし、教員もそれを認識した行動をとっているとの報道がありました。しかし同時に、第2次性徴期以前の子どもの訴えで、将来はまだ判らないとのことでした。

この記事で私が強く感じたことは、親が子どものことを受け入れて、子どものために心を砕いていることです。

多くのセクシァルマイノリティは、中学生時分から自分の性的指向について悩みだしますが、友人には打ち明けられても、親には打ち明けられない人が殆どです。
私の息子も相当の期間、親に打ち明けられずにいましたが、ある日思い切って打ち明けました。2~3ヶ月は両親共、驚きと、自分たちの持っていた家族の将来像について全く異なる考え方をしなければならないため、苦しみましたが、そこは大事な息子のこと、ずいぶん長い間悩んでいたのか、そしてそれを親たちは何も知らなかったのか、と悔やみました。

息子はその後、大勢のクローズド(カミングアウトできていない人)の仲間たちが社会的に閉鎖の状態におかれているのを、一日も早く開放しようと、必死でラジオ・テレビ・雑誌などについて抗議運動を展開し、私たち親も一緒に不当な社会性に対して問題提起をしてきました。それは大切な息子が、人生をかけて、社会に対してその歪みを正そうとしていたからです。

そうです。自分たち(セクシャルマイノリティ)にとって一番の味方は、実は一番恐れている親たちなのです。
私は、友だちと集まって色々な活動をすると同時に、自分たちのお母さん、お父さんにカミングアウトすることをお奨めします。

そして自分たちが年を重ねて「生き方」が決まったら、職場なり外部の人たちにもカミングアウトするべきです。そして社会に対して性的指向をしっかり認識させるのがよいと思っています。

馬場 三郎(大阪)