我が子がゲイ、レズビアン、バイセクシュアルであると初めて知ったとき、一体どうすれば?
多くの親達は我が子から「お母さん、お父さん、僕は(私は)ゲイなの。」と告白されれば戸惑い、きっと最初に「一体どうすればよいのだろう?」と思うでしょう。
Parents, Families and Friends of Lesbian and Gays (PFLAG (レズビアン・ゲイの親、家族、友人の会))が存在する理由はそこなのです。この小冊子があなた自身の子どものセクシュアリティーとその意味を理解する手助けとなり、今後の親子関係の継続に意味のあるものとなればと思います。私達も今貴方が感じているものと同じ気持ちを感じていたのです。だから分るのです。
あなたは決して1人ではないのです。ある統計によればわが国でもそして世界中でも10人に1人が同性愛者であると言われています。これは、4家族に1つの家族メンバーの中、もしくは直系でなくとも親族の中に少なくとも1人はゲイ、レズビアン又はバイセクシャルの人がいるという事なのです。
つまり、たくさんの人たちがあなたと 同じような思いを持っており、話し合える仲間は多くいるのだという事を知ってください。その思いを語り合う事がいかに大切であるかという事は私達が身をもって経験し、それは非常に重要な助けとなるのです。方法は本であったり、電話での相談ホットラインであったり、関連するウェブサイトあったりとさまざまですが、互いの経験、思いを分かち合う事がより深い理解と未来への一歩を踏み出す勇気となるのです。PFLAGを通じてあなたが今必要としている情報、サポートサービスを得ることが出来るのです。
次に大切な事、それはあなたが望むのであれば、この度の経験はあなたの子ども達とより強く、より深い関係を築く礎となるのです。簡単ではありませんが、私達経験者の多くはこの事実を実感しているのです。
中にはこの状況をなんなく乗り越えられる親もいます。しかし多くの親達はこの状況を、ショック、否定、怒り、罪の意識、喪失感などの伴う深い苦しみと共に乗り越えてきました。つまりあなたが今こういった思いをかかえているとしても不思議な事ではないのです。それは私達の暮らす社会自体がゲイ、レズビアンそしてバイセクシャルに対して持つ態度そのものなのですから。
今感じている気持ちを否定する必要はないのです。 我が子を愛しているのだから、子どものため、自分自身の為にも彼らのその気持ちを受け入れ、理解し、支援していきましょう。
たとえ我が子を失ったような思いを持ってしまったとしても、現実にはそうではないのです。あなたの子どもは昨日と何ら変わらぬあなたにとっての宝なのです。 あなたが失ったもの、それはあなた自身が抱いていた我が子のイメージにすぎません。この喪失感はとても厄介ですが、あなたが新たに培ってゆく正しい理解によって必ず埋まるものなのですよ。
青春期の子どもの場合状況はさらに困難であると言えるでしょう。親から拒絶された状況におかれた若 いゲイ、レズビアン、バイセクシュアルの人達は自殺、薬物依存、アルコール依存などを引き起こすケースが数多く見られます。中には親と距離をとることで自分自身を守ろうとする場合もあるでしょう。
もしもあなたの息子、娘が彼ら自身の決断であなたに「カムアウト」したのであれば、ゴールまであと半分なのです。あなたの子どもは社会的軋轢の中、多大なる勇気を持ってあなたに対し、心を開き素直であろうとしているのですから。逆に言えばそれはあなたへの愛情、信頼の証なのです。
今こそ、そんなあなたの子どもの勇気、あなたへのかかわり、信頼、その愛に答える時なのですよ。