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なぜ話してくれたの?

親の中には我が子の性的指向を知らない方が幸せだったと感じる人もいるかもしれません。

親たちはこの頃を振り返って、その当時見落としてしまっていた子どもとの距離に気づくのです。時に私達は実際に起こってしまった事を否定してしまいます。例をあげてみると、子どもからの告白を拒絶してしまうと「今はきっとそういう時期なのだろう、きっとそのうち元に戻るだろう」となりますし、心を閉ざしてしまう場合は「聞きたくない!」となります、また事実を受け入れようとしない場合は「分った、分った、そろそろ食事にしようか?」と言った受け答えとなるわけです。これらはすべて自然な反応なのです。

しかし、我が子の性的指向を知らない、理解しないという事は我が子を知らず、理解していないという事であり、その場合、その子の生活、人生の過半数は未知のものとなり、あなたが決してその子というものを知る事がないという事実なのです。

我が子の性的指向を理解し、受け入れる事が重要なのは同性愛や両性愛が決して成長過程における一時的なものではないからなのです。

確かに自分の性的指向を模索するといったケースもありますが、親に自分が同性愛者であるという事実を告白する時子ども達は既にその段階を越えている場合がほとんどでしょう。通常、性的マイノリティの指向を持つ子ども達は自身の性的指向を理解し、認めるにあたって長い長い時間悩み、考えるのですから。

ですから、もしあなたが彼らに告白を受け、「本当にそうなのだろうか?」と思っているのであれば、答えはおおむねYESでしょう。子どもは親に自分自身が同性愛者であると告げるには、事前に否定的な固定観念だとか理解されなかった時の恐怖などありとあらゆる危険な状況を想定し、それを乗り越えて決断したのです。

あなたへの告白はつまり息子、娘からあなたへ送られる愛であり、あなたからの理解、サポートを受けたいというメッセージなのです。それには多大なる勇気が必要だったのです。それは、あなたに素直に、正直に心を開き、ありのままの自分自身を理解してほしい、愛してほしい、そしてより良い 関係を築いていきたいという思いの現れなのです。