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状況はわかりました。でも、なぜそれを見せびらかさないとならないの?

自分が同性愛者であると「カムアウト」したり、公の場で同性パートナーへの愛を表現したり、同性愛者とわかるシンボルやTシャツを身につけたり、ゲイプライドパレードに参加したりする…そうした同性愛者や両性愛者は、自分の性的指向を他人に「見せびらかす」行動をしていると非難されることがあります。

全ての人が異性愛者であることがいまだに当然視される世界では、「カミングアウト」はゲイ、レズビアン、バイセクシュアルの人達が自分の性的指向を知ってもらう唯一の方法なのです。「カミングアウト」は、社会のなかで同性愛が不可視化されるのを避けるポジティブな方法であると、たいていの場合は考えられています。なぜなら、同性愛者がいないとみなされる社会では、自己嫌悪が内面化されたり、自尊心が欠如したりすることもあるからです。

もしお子さんが公衆の面前で同性パートナーへの愛情を表現していたら、あなたは親として、不快な思いをされるかもしれません。

しかし、これは強く心にとどめておいてください。異性愛者、同性愛者に関わらず全てのカップルは公の場で愛情を表現します。それは、パートナーに愛や感謝を感じているからに他なりません。

ちょっと考えてみてください。異性愛者たちが公の場で愛情を表現するのも同じように嫌ですか?

以上2つの例(「カミングアウト」と公の場での愛情表現)において、性的指向を「見せびらかす」のは、ただリラックスした自然な方法で公に振舞いたいというだけのことかもしれません。

これ以外の状況、たとえばTシャツを着たり、公のイベントに参加したりすることで自分のセクシュアリティを強く主張するのは、政治的な決心といえるかもしれません。同性愛の存在を無視したり、笑いものにしたりする文化の中では、自分のセクシュアリティを公に強く主張することは、自己を肯定するための重要な行動ともなるのです。

お子さんが同性愛者だとわかるような行動をとることに対し、親としては、周りから返ってくるだろう否定的な反応が心配なのだとしたら、次のことを心に留めておいてください。同性愛者や両性愛者の中には、そういう恐怖がわかっているからこそ、自分の行動に目を光らせている人もいるのです。ただ、なにをどうするのかを決めるのはお子さん自身の判断に委ねられています。