NPO法人LGBTの家族と友人をつなぐ会のトップページへ戻る

子どもからのカムアウト…新しく知った事実とうまく付き合っていけるでしょうか?

ある精神科医はこの質問にこう答えています。「たいていの親御さんが、『自分の子どもの性的指向が現実であることを受け入れられるようになると、全く新しい世界が開けてきた感じがする』とおっしゃいます」と。

まず、親は今まで全く知らなかった我が子の一面に慣れていきます。それはもう、親は子どもの人生に含まれている、ということなのです。その結果、たいていは、親子の関係がより良くなります。そして、そのような親はゲイコミュニティに出会い、ゲイコミュニティにいる人たちは他のコミュニティにいる人たちと何ら変わりのない人々であるのを理解するのです。

冒頭の質問に、何人かの親にも答えていただきましょう。

「我が子のセクシュアリティについて話し、あなたは独りではないことを知るのが、本当に大切です。この経験をしているひとが他にもいて、前向きにその事実を捉えている人もいることを知ってください。そして、これを機会にお子さんといい関係を築けるという特典もあるのです。親は、やっぱり親でいたいんです。一般的に言って、親と言うのは、我が子との縁が切れたくはありませんから。」(レズビアンの娘を持つある母親)

「『ゲイリーは元気にしてる?』と聞かれるたび、心の中でこう思っていました。『息子は元気、私の方が元気じゃないわよ』と。でも、あるところまでたどり着くと、そこから後は簡単でした。息子の友達に会うことで、かれらは素晴らしい人々で、息子がとても素晴らしいコミュニティにいるんだ、ということがわかりました。そして、『同性愛者であることの何が問題なの?問題なのは社会の方でしょ。」そう思ったとき、わたしたちは山を乗り越えたんだなと気づきました。」(ゲイの息子を持つある母親)

「私は3ヶ月の間、泣いては泣き止み、そしてまた泣き・・・その繰り返しでした。でも親子関係は常にとてもいい状態でした。それは決して変わりませんでした。(息子が同性愛者だとわかってからも)わたしたちの息子への愛は疑いようもなく、息子にもすぐに『お父さんもお母さんもあなたを愛しているのよ』と自信を持って告げました。そのときから、息子と私たちの関係は強くなりました。だって息子がこの社会で直面しているものを知っているんだ、という強い絆がありますから。」(ゲイの息子を持つある母親)

「私の場合、性的指向に関する本を読んだり、情報を知ったりすることがとても役に立ちました。自分が今まで見聞きしてきた根拠のない神話を葬り去ることができたんです。だから、たくさんの情報を知れば知るほど、より怒りを感じるようになり、息子に代わって社会を変えたいとより強く思うようになりました。」(ゲイの息子を持つある母親)

「自分にとってターニングポイントだったなと思うのは、同性愛に関する書物の中で、自分のセクシュアリティをきちんと受け入れられている子どもはたいてい、より心穏やかで、より幸せを感じ、より自分に自信を持っている、と読んだときだと思います。そして、もちろん自分の子どもにもそうあってほしいと思いましたし、私がその邪魔をするようなことをしたくはないと思いました。」(ゲイの息子を持つある父親)

「私の場合のターニングポイントは、息子が私に『父さん、僕は前の僕と同じだよ』と言われたときだと思います。もうそれから半年経ちますが、いま一層強く実感するのは、彼の人生において変わってしまったものは本当に何もないということです。おそらく変わったのは、彼をみるわれわれの目なんだと思います。」(ゲイの息子を持つある父親)

「あなたに伝えておかなければならないと思うのは、良いことがたくさんあるっていうことです。このこと(同性愛者として生きる人生)を親であるあなたと分かち合いたいと願い、あなたにも人生の一部となって欲しいと願っている素晴らしい子どもが自分にはいるのだ、とあなたは気づき始めているでしょう。あなたの両手に託された、お子さんからの信頼を見てください。それをあなたに渡すために、お子さんがどれほどの勇気を必要としたのかを考えてみてください。」(レズビアンの娘を持つある父親)