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1.読者のみなさまへ

「トランスジェンダー」に関心を持ち、この「我がトランスの子どもたち」を手に取って下さってありがとうございます。

10年前(1997年)、Mary BoenkeとCourtney Sharpと私の3人で、「トランスジェンダー入門書」を発行する計画を立てました。PFLAG*会員、非会員の区別なく、トランスの親、家族、友人、雇主、カウンセラーなど、この問題に関心を持つ全ての方々に役立つような小冊子にしたかったのです。

この小冊子は、私たちの予想を遥かに超えて多くの人々に歓迎され、既に5万部以上売れました。ジェンダー啓蒙に関する資料としては、世界最大の発行部数です。これからも、子どもの性自認について学ぼうとする家族の支えとなり、支援グループの存在を知る手がかりとなることを願ってやみません。

性自認の種類は実に多様です。この小冊子で、「トランスジェンダー」*あるいは「トランス」*と言ったら、トランスセクシュアル、異性装、その他様々の「トランス性自認」*を含みます。この小冊子で初めて、「性別不合行動」*の子どもについての問題を扱いました。PFLAGは当然ながら、様々な性自認を持つ全ての子どもの尊厳を守ることを誓います。

私たち「PFLAGトランスジェンダー・ネットワーク」*は、全てのPFLAG新会員にこの小冊子を読んでもらいたいと願っています。

PFLAGが公式に、トランスの支援活動を始めたのは1998年のことでした。それ以来、年々数多くのトランス当事者や家族が、情報と理解と支援を求めて問い合わせてきましたが、トランスの関連資料は少なく、しかも問題自体が複雑です。

トランスの家族も、せめてゲイやレズビアンやバイセクシュアルの家族と同じくらい、いや、それ以上の支えを必要としていることは明らかです。私たちは、常に新しい会員を歓迎し、愛し、支援できる団体であることに誇りをもって、恐れずに前進するつもりです。「ネットワーク」はこの精神を小冊子の原点に据えました。

この度の発行に当たって、Edgardo Menvielle医師を始め、たくさんの方々から助言をいただきました。初版の実現のために努力を重ね、「ネットワーク」の創立に尽力して下さったMary Boenkeに感謝を込めてこの小冊子を捧げます。

Jessica Xavier(2007年2月)

 

PFLAG (Parents, Families and Friends of Lesbians and Gays)

1973年に米国で創立。現在の会員と支援者は20万人、支部は500。海外関連団体も多数。日本の「LGBTの家族と友人をつなぐ会」も2011年秋に海外団体としてリンクされた。

「トランスジェンダー」または「トランス」(Transgender or Trans)

トランスセクシュアル、異性装、その他様々の「トランス性自認」(Trans Identities) を含む。

「性別不合」(Gender Variance)または「性別不合行動」(Gender-variant Behaviors)

社会が要求する性別役割と一致しない行動をする人、あるいはその行動

「PFLAGトランスジェンダー・ネットワーク」(PFLAG Transgender Network)

前述