10月は、近年可視化されつつあるセクシャリテイQ(クィア、クウェスチョニング)を念頭に置いて、揺れるSexualityの体現者Shoさんの語りを糸口に、参加者の皆さんと対話しながら交流したいと思います。LGBTQ+当事者、その保護者、支援者も交えて語り合う時、それぞれの視点からの意見交換は、今ある心の重荷をきっと軽くしてくれるはずです。
♥参加希望の方は、万全の体調での参加をお願いします。 下記連絡先へ、事前のお申込の上ご参加ください。当日は、コロナ感染を考慮し、受付にて お名前(愛称 可)、 連絡先を記帳していただきますので よろしくお願いします。
- 日 時:2023年10月15日 (日) 13:30~16:00
- 場 所: 渋谷区勤労福祉会館第 4洋室 渋谷区神南 1-19-8
- 定 員:15名(参加希望の方はあらかじめお申込下さい)
- 参加費:500円 / 飲み物は各自持参でお願いします。
- 申込先:メール/tokyo@lgbt-family.or.jp 電話/090-9876-2423 (電話は水・土・日対応 つながらない時はSMS)でお願いします。 会場へのお問い合わせはご遠慮ください。
【終了しました】
10月15日(日)、今回は都内西部に移り講演形式の交流会となりました。
「Sexualityは揺らぐ」をテーマに、当事者の会員さんと親御さんにライフヒストリーをお話しいただきました。
Sさんは、子どもの頃より、無論無意識なのですが、割り当てられた性別に即する言動をしない子どもだったらしく、周囲の人々から訝しげに見られていたようです。ご本人も自身を「中性なのかな?」と思っていたとのこと。女の子だとは思わないまでも、周りの男の子の振る舞いが荒々しく乱暴なのが嫌だったそうです。けれども枠に嵌っていないと安心できないところもあり、なんとなく周りに合わせながら過ごしていたのでいじめられることはなかった。先生からはもっと男らしくしろと言われたりして、居心地悪いまま高校を卒業。その後、縁があって渡米したところ、アメリカではセクシュアルマイノリティが日本ほどクローズではなく、自由に自分のままで暮らすことができるので楽だった。自身の生き方を探求することに熱心な年頃でもあり、ボランティアに勤しんでいたそうです。当地ではゲイコミュニティに入ってみたりもしたが、何か違う感じで、男性と付き合うと優しくしてもらいたい自分はもしかしたら女の子なのかも?と思ったり。その後十数年セクシュアリティが定まらないまま今に至るそうです。
この話の後、FTMからXジェンダーにセクシュアリティが揺れ動いた子どもを持つ親御さんの話がありました。社会人男性として10年近く過ごした後のカミングアウトで、そんなことがありうるのか?と驚いたが、ジェンダーの専門家に尋ねると、社会体験を重ねるうち、様々な人との出会いを通してセクシュアリティが揺れたり変わったりする人もいるそうで、欧米では「gender fluid」の呼称で知られているとのこと。十年近い男性化の後の変貌は親でもたじろぐほどだったが、理解のない他人からの視線は厳しいだろうと思い至り、以降、LGBTQ+支援に本腰を入れるようになったとのこと。
質疑応答では、周囲の人への思いを尋ねられ、Sさんは、セクシュアリティがどうであれ、相手をあるがまま受け止めてほしい、と。親御さんも社会には男と女しかいないのではなく、セクシュアリティは千差万別であるし、揺れ動く人もいることを念頭に置いて、固定観念で人の性別を決めつけないでほしい、と言われました。
男女二元論が当たり前だと思われている世の中で、セクシュアリティが揺れる人の話を聴くことは稀です。けれども、若者の間でXジェンダーやQ(クィア)、ノンバイナリーを名乗る人は確実に増えてきています。参加者の感想にも、「初めて聞く話だった」「実際に体験されてきた方の話を肉声で聴けて貴重な時間」「親が子どもの変容にショックを受けながらも、あらためて子どもを受け入れる心情に至った経緯を聴けてよかった」等々。実際の体験談は、聴く人の心に響きます。
性の多様性とは、バラエティーに富んだ彩であると言えるのではないでしょうか。セクシュアリティが男女二色ではなく人の数だけあるということを、これからもさらに伝えていきたいと思いました。
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