皆さんは自分の娘がレズビアンだとわかった時どう感じるでしょうか?
私にとって、その衝撃の時は突然やってきました。
娘が高校2年の終わり頃に、突然ある手紙を見せられました。その手紙は、娘が学校を通じてある公的機関に悩みの相談を書いたものへの返事でした。そこにあった内容は、「あなたはおそらく、性同一性障害だと思われます。両親に相談してきちんと専門家の診断を受けた方がいいです。」というものでした。その手紙を娘が受け取ったのは2年程前でしたが、私にも言わずにずっと内緒にしてしまってあったようです。
娘はその手紙を見て「やっぱりそうか!」と思ったそうです。でも、私にしてみると、今自分で読んだ内容が現実とは思えず、娘が別人のようにさえ思えてきました。
「今まで私は娘の何を知っていたのだろう?」
「娘が独りでずっと苦しみ悩み続けてきたというのに、何も知らず、何もしてあげられなかったなんて・・・」
言葉がつまって何も言えませんでしたが、瞬時に思いついたことは、絶対娘の前で涙は見せてはいけない!という事でした。
泣けば、娘は自分の人格を否定されたと思って傷付くに違いない・・・
そう思い、必死で涙をこらえました。
それから、しばらくしてやっと診断をもらい、レズビアンであることがわかりました。
今まで、子育てでほとんど大きな悩みもなく、過ごしてきただけに、今目の前に置かれている現実をすぐには受け入れることが出来ず、どこかさみしい人気のない遠いところにいるような孤独感と、いいようのないさみしさを感じながら、毎日ふとした瞬間に涙をこぼしていました。
自分の育て方に問題があったのだろうか?と自分を責めたりもしながら専門書を読み、ようやく少しずつ気持ちの整理がついていき、現実を受け入れることが出来るようになっていきました。
そして、気付いたことがあります。
今まで私は、大勢の人と同じ方向に向かって歩いてきたことによって、漠然とした安心感を抱いていたこと、それが今、いわば少数派のグループの中に入って言い知れぬ不安を感じていることです。
でも、大切なことは、ありのままの娘を受け入れ、親として出来るだけ娘の応援団になることだと思いました。
そこから、性の問題を考えているグループをあちこち探し、現在、娘も私も同じような立場からありのままを話せる仲間のいる、「LGBTの家族と友人をつなぐ会」に参加させてもらっています。そして、ここで、皆さんから前向きに生きていく元気をもらっています。
もし、皆さんのお子さんから突然カミングアウトされたら、また子供の立場で親や友達にカミングアウトしようか悩んでいる方がいたら、是非この会に来て、自分の思いを語ってみてはいかがですか?
苦しみを乗り越えてきたたくさんの仲間が待っていますから。
決して独りじゃないですよ。