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異性愛配偶者の貴方へ:連れ合いはLGBT 2022.3.19 UP
この文章は、アメリカのPFLAG(LGBTの親や友人の会)が発行している小冊子を日本語に訳したものです。

米国では、

  • 配偶者にカミングアウトしたLGBTの夫や妻…200万人
  • LGBTと異性愛者の夫婦に生まれた子ども…350万人

1.ジョンがくれた最高の贈り物

1982年5月、ジェインは初めてみんなの前で、昔の辛い経験について話しました。PFLAGの第一回年次総会の席です。

「今、私は不安で無防備で孤独です。想像してみて下さい。貴方の夫か妻、息子か娘がゲイだと知った時、あるいは、勇気を振り絞ってゲイだとカミングアウトしたのに、相手の目が恐怖で凍りつくのを見た時、または、生まれて初めて公の場でゲイの権利について話す時を。今の私と同じように、ひとりぽっちで怖くて不安でしょう。

でも、みんなに真実を伝えようと覚悟を決めて恐怖に立ち向かうと、体の奥底から力が湧いて来ます。こうすべきだとか、こうあるべきだという、今まで自分を縛って来た鎖から解放されて自由を感じるのです。

結婚して7年目に夫からゲイだと告げられ、その時は人生がひっくり返った思いでした。想像もできなかったのです。何しろ30年間信じていたことが全部覆ったのですから。これが本当で、今まで信じていたことが嘘だったら、何が嘘で何が本当なのか・・・わからなくなりました」。

ジェイン夫妻は、夫の愛人を加えた3人の結婚生活を試してみました。男二人と女一人。誰にも言わず、世間の目を避けて暮らす毎日。セラピーに通ってみましたが、罪悪感ばかり募って自分に何も価値はない、苦しさを訴える権利はないと落ち込みました。

そのうちに妊娠がわかり、ジェインの絶望は更に深まりました。流産に終わった後、ようやく医師に現状を話し、先行きの不安を打ち明けたところ、その医師が「あなたに何の罪もない」と言ってくれたのです。初めて希望の光を見た思いで、とても勇気づけられ、妹や疎遠だった母親にも話してみました。すると二人とも、ジェインの状況を理解して離婚手続きを手伝ってくれたのです。

「母も妹も愛情で支えてくれました。家族が傍にいてくれる、ひとりで頑張らなくていい、という安心感がどんなに私を力づけたことか」。

まもなくジェインは他の町へ移り、自分に合ったセラピーのグループに入り、そこで温かく支援してくれる人々に出会いました。傷ついた心が癒されると、再び生きる気力が湧いて来て、前夫とも少しずつ新しい友人関係を築き始めました。牧師になったジェインは再婚して、二人の子どもの継母です。前夫との強い信頼関係は今も続いています。

ジェインは言いました。「ジョンはあの夜、勇気を振り絞って、『マーティンを愛している』と告げてくれました。ジョンの決断のおかげで、何が真実なのか見極めることができたのです。本当のことを伝えてくれたジョンの勇気は、私への最高の贈り物だと思っています」。

ジェインがこの話をした1982年のPFLAG年次総会では、ほとんどの会員にとって、異性愛配偶者の体験談を聞くのは初めてでした。あれから数十年、最近は特にカミングアウトするLGBT既婚者が増えています。その結果、助けを求める異性愛配偶者も多くなっています。

 

2.異性愛配偶者は無視されたマイノリティ

公式の統計では、全米のいわゆる「異性愛」カップルのうち、約200万人に上る夫や妻が、ゲイ(ゲイ・レズビアン・バイセクシュアルの総称)だと自認しています(トランスジェンダーについては記録なし)。当然ながら、異性愛配偶者は、連れ合いのカミングアウトに直面して激しく動揺します。知人は大方異性愛者だから、変な目で見られると心配する人もいるでしょう。家族や友人やカウンセラーや医師に悩みを話しても、理解してもらえなかった場合もあるでしょう。

確かに、異性愛配偶者が悩みを打ち明けても大抵聞いてもらえず、相談できる人がないのが現状です。ゲイである連れ合いは、支援団体から支えられ、カミングアウトを祝福されるというのに、異性愛配偶者の方はひとりで苦闘しなければなりません。たまたま同じ境遇の人を見つけると、苦しんでいるのは自分だけではないとほっとします。悩みを真剣に受け止めて、適切な助言をしてくれる人に出会った時に初めて、自分の殻から出られるのです。

支えてもらえれば、異性愛配偶者はより前向きな態度で問題を解決します。すると良い連鎖反応が起こって、動揺していた家族も皆、後に続いて前向きになるものです。周囲の理解を得て立ち直った配偶者は、今度は偏見をなくすべく、他の人々に働きかけるようになります。

親がカミングアウトすると、その子供も、親の性指向や性自認が明らかにされるにつれて、少しずつ学びながら体験を共にします。子どもはおおむね、異性愛者の親の反応を真似るものです。周りの支え(特に親と友人の支え)が必要なのは言うまでもありません。

1981年以来、PFLAGは、連れ合いにカムアウトされた経験を持つ、異性愛配偶者を支えて来ました。多様な性を受け入れる、健全で公正な社会を作る上に、これは大切な仕事だと認識しているからです。試行錯誤し、努力を重ねた結果、PFLAGは、異性愛配偶者が必要としている支えは何か、十分に理解できるようになりました。

この冊子は、異性愛配偶者が直面する主な問題を挙げています。内容は、4,500人に上る異性愛配偶者、ゲイ配偶者、その子どもたちが自発的に述べてくれた証言を基にしました。証言を集めたのは:Amity Pierce Buxton, Ph.D., Director of the Straight Spouse Network (異性愛配偶者ネットワーク:前身はPFLAG Task Forceの一活動)。当該問題に関する調査結果や論文も参考にしています。

異性愛配偶者の状況と問題を理解すると、大きな収穫があります。まず、異性愛配偶者は自分の感じていることが異常ではないと確信できる。家族がより効果的に支えの手を差し伸べられる。ゲイやトランスジェンダー配偶者が、異性愛配偶者の感じ方を知ることによって理解を深め、支えることができます。

 

3.異性愛配偶者が直面する問題

既婚者がカミングアウトすれば、当然、その家族は影響を受けます。まず、夫婦の関係が変わります。カミングアウトが増えるにつれ、今後益々多くの異性愛配偶者が支えを必要とするでしょう。もちろん、ひとくちに異性愛配偶者といっても様々で、年齢、社会的地位や経済状況、民族性、教育歴、職業、信仰などによって違います。それでも、連れ合いのカミングアウトに直面した時の悩み、そして対処の過程に関しては共通しているのです。

 

3.1 性愛と性自認

「男として失格だと思った。今までの自信が粉々になりました」ダン:妻がレズビアン

性指向の不一致は夫婦が受ける最初の衝撃です。連れ合いが同性に魅かれると知ると、多くの異性愛配偶者は性的に拒否されたと感じます。性的に魅力がないと落胆したり、男として(あるいは女として)失格だと思ったり、不能や不感症になるのではないか、もう二度と異性と会ったりセックスしたりできないと。ただし、連れ合いがバイセクシュアルの場合は、こうした不安は少ないかもしれません。自分の性自認に疑問を持ち始める人もいます。連れ合いがゲイで、カミングアウト前に婚外性交をしていたと知ったなら、性病やHIV/エイズの感染の心配もあるでしょう。

トランスジェンダーを連れ合いに持つ異性愛配偶者は、また別の問題に出くわします。性指向の不一致で悩むことはないかも知れませんが、連れ合いの心や体が、男性から女性、女性から男性へと転換して行くにつれて、夫婦の性生活も変わるのではという不安です。連れ合いの外見が変わって同性カップルのように見えると、周囲から変な目で見られると心配したり、自分自身の性自認も揺らいだりします。

 

3.2 結婚生活の危機と破綻

「私たちは何者なのだろうという混乱、これから先どうなるのかという不安を抱えたまま、7年間、何とか結婚生活を続けて来ました」バーバラ:夫がバイセクシュアル

異性愛配偶者も、LGBT配偶者と同じく、結婚が続くものか、そしてもし続くなら、どの程度妥協しなければならないかと考えます。即離婚を選んだゲイと異性愛者の夫婦もいます。原因は、異性愛配偶者の怒りが収まらなかったとか、一婦一夫制を望んだなど。ゲイ配偶者が、自分の性指向に正直に生きたい、同性愛の相手を探したいといって離婚を望む場合もあります。

カミングアウト以前に夫婦の間で軋轢があった場合も、大方離婚に至ります。決定的な資料はありませんが、多数の体験談から推察すると、レズビアンである妻は、ゲイ男性やバイセクシュアル男女と比べて、カミングアウト後、より迅速に離婚に至るようです。

ある夫婦は離婚を決める前に、性愛、性自認、一夫一婦制、貞節、新しい結婚形態などを模索し、考えを整理しようとします。他の夫婦は、長い結婚生活で育てて来た愛情と歴史、友情、子どもたちの希望などの理由から、修正した結婚生活を続けようとします。少数ですが、心情的に別れられないとか、あるいは宗教的・経済的な理由で結婚を続ける夫婦もいます。

このような夫婦は、新しく始めた疑似結婚生活の中で、様々な困難に出遭います。なぜなら、それぞれの性的、情緒的な要求を満たせない生活ですし、伝統に反する生活形態は、家族や教会や隣人からの攻撃に曝されるからです。時間をかけて話し合いを重ね、妥協と支え合いが生まれると、一夫一婦制でも、その他の一風変わった生活スタイルでも、結婚生活が続くケースもあります。これはバイセクシュアルと異性愛者の夫婦に多く見られます。

トランスジェンダーと異性愛者の夫婦については、調査がほとんどありません。配偶者が外見を変えたことで、結婚生活の破綻が決定的になり、早急に離婚に至る夫婦がありますが、そのまま結婚生活を続ける夫婦もいます。トランスジェンダー配偶者は、手術を受けるか否かに拘わらず、性転換の過程では、異性愛配偶者から離婚を要求されることはありません。従って、彼らは、異性愛配偶者に、自分の性転換を受け入れて、結婚生活を続けてくれるよう真剣に望むのです。この場合、異性愛配偶者が直面する難題は、連れ合いの、次第に変化する性役割や容姿に慣れるかというものです。

「『異性愛配偶者』であってもすぐ離婚するとは限りません。自分にとって何が一番大切なのか、どれくらい妥協できるか、結婚生活においてどれだけ互いが必要なのかよく考えて決めるのです」ミリアム:M-F(男性から女性に転換)の妻

 

3.3 親として配偶者として

「パパは異性愛者でママは同性愛者。だからうまく行かない。パパもママも何度もやり直そうとしたけど、どうしても駄目だった」ジム:レズビアンの妻を持つ夫。二人の息子への説明。

性指向が異なる夫婦に子どもがいる場合は、問題が複雑です。子どもに話すべきか、話すならいつ、というのが最大の関心事。大多数の親は子供に、親のひとりがゲイ、またはトランスジェンダーだと説明します。離婚が決まっている場合や、夫婦の生活が大きく変わって、家族が気づいている場合は特にそうでしょう。多くの親は子どもに事実を話す時期を延ばしがちです。話せばショックを受けるから、それを受け止めてやれる自信がつくまで待とう、と親は思うのです。

親として一番願うのは、子どもに両親の愛情を感じさせてやりたい。更に願うのは、ゲイ差別やトランスジェンダー差別に遭っても傷つかないで欲しい。一方、子どもは親の態度を見ています。異性愛者の親が、他方の親のカミングアウトをどのように処理するかによって、子どもの受け止め方も違って来ます。ある親は、カミングアウトで受けた傷があまりに深いため、連れ合いと子どもとの親子関係を支えてやれません。離婚に至った例では、異性愛者の親が、ゲイやトランスジェンダー配偶者の悪口を言って、子どもと会うのを妨げたりしました。

それでも多くの親は、子どもとの良い関係を守り、子どもの希望を叶えてやるために共に努力します。離婚するしないに拘わらず、親が子どもに伝えたいのは、ゲイの親であろうとトランスジェンダーの親であろうと、子どもが可愛いことに変わりはない。両親ともに子どもを愛している、これからも両親が協力して一緒に育てて行くのだということです。

 

3.4 裏切りと欺き

「妻がレズビアンだったことだけでなく、自分が騙されたことに二重にショックを受けました。『どうして気づかなかったのか』と」ウェズ:妻がレズビアン

異性愛配偶者は、連れ合いがカミングアウトしたとき、裏切られたと感ずるかも知れません。連れ合いがトランスジェンダーなら、相手が密かに異性装をしていることに裏切られたと思うでしょう。連れ合いがトランスセクシュアルで、家族にカミングアウトする前に性転換を始めた時、異性愛配偶者は騙されたと思います。相手の性愛や性自認が知らされても、知らされなくても、問い詰めた時、否定されてもされなくても、とにかく異性愛配偶者は裏切られた気がするし、気づかなかった自分が馬鹿だったと思います。自分の判断力を疑い、誰をも何をも信じられなくなります。そして、家族や近所、所属するグループ、教会、勤め先などから、自分たち夫婦が拒絶されるという恐れから、配偶者の性愛や性自認を秘密にします。その場合、異性愛配偶者の苦痛は倍増します。真実を友人や家族に伝えないため、多くは罪悪感と無力感に襲われるのです。連れ合いがトランスジェンダーで、性転換を秘密にした場合は、痛みはなお強いでしょう。なぜなら性転換の過程で、外見の変化や違いが、周りの人に一目瞭然ですから。

 

3.5崩れる主体性と信念

「親友は話に乗ってくれないし、同僚の女性は助けになりませんでした。ゲイと結婚した異性愛者についての本はどこにもなかったのです」トレイシー:夫がバイセクシャル

直面する問題が次から次へと増えて、異性愛配偶者は次第に追い詰められ、ついには自分が何なのか、信じられるものは何なのかという究極の問題に突き当たります。長い間当然と思っていた価値観、つまり結婚や、同性愛や性自認に対する考えを根本から疑うようになるかも知れません。連れ合いがトランスセクシュアルである場合は、結婚時は男性(あるいは女性)だと思っていた相手が、別の性になるわけで、これまでの結婚生活との断絶を意味します。顔や体や名前が変わり、転換前の自分のことを、他人事のように三人称で語る連れ合いと暮らす生活――異性愛配偶者にとって混乱以外のなにものでもありません。異性愛配偶者は、以上のような問題を解決したくても、支援組織はほぼ皆無でした。LGBTである連れ合いや、家族、友人、専門家に助けを求めても、悩みをわかってもらえません。その結果、ひとりで自分を責め苛む、出口のない迷路に入り込んでしまいます。自分は駄目な人間だ、どこに行ったら助けてもらえるのか、探してもみつからなかったらという不安。孤独は、怒りと恐怖と疑いを倍増し、主体性と信念がぐらつきます。絶望の淵で自問するのは:「私はいったい何者なのだろう。何を信じたら良いのか?」

 

4.苦闘と解決

「新しい年にどんな不測の事態が起きようとも、道を塞ぐ障害を正視し、乗り越えられるという自信がある」と、クリスティンはクリスマスの夜の日記に書きました。夫がゲイ。人生の転機になった日記の文句を覚えています。「57歳の誕生日にやっと大人になれたのです」とクリスティンは語りました。異性愛配偶者の例に漏れず、夫がゲイである事実を受け入れ、関係を回復するまで、クリスティンにとって長い辛い道のりでした。異性愛配偶者が立ち直るまでにかかる時間は、人によって違いますが、普通、早くて2年、遅くて6年かかると言われます。苦しんだあげく、やがてどんな困難も克服できるという自信が生まれるまで、過程はほぼ共通しています。段階が時には重なったり、順序が違ったりすることもありますが、概ね、以下のような道を辿るでしょう。

 

4.1衝撃と安堵

「みぞおちを拳固で殴られたような。がっくりして身動きできませんでした」シリ:夫がゲイ

連れ合いがゲイ、またはトランスジェンダーだった・・・事実を知った時の衝撃は計り知れません。共に暮らして来た一番親しい人が、全く知らない面を持っていたと想像できるでしょうか。中には、それまでの夫婦喧嘩や、相手の行動、外見、気分の変化は、そのためだったのかと得心して、かえってほっとする人もいます。一般に、連れ合いのカミングアウトの後では、複雑な思いに囚われて混乱するものです。

 

4.2感情移入と否定

「デイビッドの顔が苦痛に歪むのを見た時、思わず慰めてあげたいと思いました。二人とも相手を慰めるのに必死だったのです」キャロル:夫がゲイ

多くの夫婦が秘密を共有して後、より親密になります。異性愛配偶者は相手の苦しみに感情移入するかも知れません。以前より互いに率直になったことで、関係を改善できると希望を持つ夫婦もいます。しばしば、異性愛配偶者は苦しみのあまり、初めの前向きな気持ちが消え失せてしまい、相手の性愛や性自認の変化がもたらす意味を否定しようとします。性的に魅力がないから相手を満足させられないのだと自分を責めたり、大した悩みではないと自分に言い聞かせて、相手の性愛や性自認に合わせようとする人もいます。大多数の異性愛配偶者は、家族の世話や、仕事や社会的義務に追われながらも、連れ合いの新しい側面を理解しようと努力しています。その間、相反する感情に揺さぶられ、ジェットコースターに乗っているみたいだと言います。

 

4.3現実を直視して

「私が描いていた『幸せな家族』という夢は粉々に砕け、それをどうすることもできませんでした」グラント:妻がレズビアン

連れ合いのカミングアウト後、最初の一年間、多くの異性愛配偶者は次第に、カミングアウトが、夫婦や結婚生活や家族生活にどんな影響を与えたか気が付き始めます。最初の衝撃が薄れると、今度は、連れ合いの性指向や性自認、自分の痛み、そして結婚生活がどう変わったか、正面から向き合い始めるのです。カミングアウトで受けた衝撃を自覚するにつれて、異性愛配偶者は鬱に陥ったり、疾病や衰弱を患ったりすることもあります。多くは、自分がショックを受けたことを認めると、心と体と精神の治療に自ら努力し始めます。しばしば専門家の助けを借りて。一方で、カミングアウト後の現実を直視しない異性愛配偶者は、長期間、怒りや鬱や疾病に度々襲われて、煉獄から抜けられないものです。同性愛やバイセクシュアルについての知識を得たり、トランスジェンダーとは何か学んだりすると、連れ合いが今後、異性愛者に戻ったり、元の性自認に戻ったりすることはあり得ないとわかります。連れ合いがバイセクシュアルの場合は、より複雑な状況に置かれるでしょう。なぜなら連れ合いは、同性に魅かれるだけでなく、これまでと同じように、異性である貴方にも魅力を感じているかも知れないからです。連れ合いがトランスジェンダーなら、ある期間、行動や容姿が変わって行くのを目撃するでしょう。変化が急激でなく、長期に亘って少しずつ、体や心理や感情面で進行して行く場合もあります。異性愛配偶者にとって一番辛いのは、日々、生活の中で変化に直面しなければならないことでしょう。これまで慣れ親しんで来た連れ合いが変わって行くのです。例えば二人の生活が、伴侶としての役割が、そして大多数にとっては結婚生活そのものが変わるのです。今まで当てにしていた安心装置の多くが失われると、大半の異性愛配偶者は怒り、将来に不安を感じます。特に単親になる人はそうでしょう。

 

4.4怒り

「5年たっても怒りは収まりません。怒ることによって、ティムがゲイだという事実に関わっている感じです」モイラ:夫がゲイ

連れ合いのカミングアウトの過程では、どの時点でも、異性愛配偶者の怒りは爆発しますが、怒りが最も激しいのは、カミングアウトで自分の生活がどう変わるか、事の重大さがわかり始めた時です。ある人は、連れ合いに欺かれたことに苦い思いを噛みしめます。連れ合いがゲイであると、異性愛配偶者は、性的に騙されたと思って怒るでしょう。AIDSや他の性病に対する恐怖によって、ますます混乱し怒りが募るでしょう。生活が断ち切られたこと、家族が崩壊したことに怒る人もいます。自分がまだ、昔の生活の断片を拾い集めて、元の形に修復しようとしている時に、LGBTである連れ合いが新しい生活を始めることに、我慢ならない人もいます。怒りが制御され、適切に治療されて前向きにならない限り、燻った怒りは恨みに転じたり、仕返しの行動になります。自分の怒りを冷静に見つめて処理することによって、異性愛配偶者は新しい状況を受容できるようになります。

 

4.5受容

「どうしても夢を叶えたかったので、自分の性指向も、信じて来たことも曲げて妥協しても良いと思いました」ケイトリン:夫がゲイ

異性愛配偶者が、連れ合いのカミングアウトを受け入れ、事実を変えられないとわかるまでは時間がかかります。日々の積み重ねでやっと受け入れられるのです。すぐできるか、時間がかかるか、生活に起こる変化の大小によりますし、また、物の見方を180度転換する能力があるかによって違います。ある人は、現実を受け入れきれずに否認し続けたり、無力感に陥ったりします。カミングアウトされた時に非常に辛い思いをした人は、助けを得られないまま、傷ついた心を解放できずに、ずっと犠牲者意識と怒りに囚われます。また、相手の性指向や性自認を受け入れないで、偽りの希望に縋りながら不満を抱えて生活している人もいます。ほとんどの異性愛配偶者は、連れ合いのカミングアウト後、まもなく生活の変化を受け入れ、前の生活に戻そうという無駄な努力を止めます。カミングアウトによって痛みを被ったにしても、連れ合いに悪意はなかった、痛みは自分で癒せるのだとわかるのです。結局のところ、多くの異性愛配偶者は、少しずつ生活の変化に慣れ、離婚するにせよ、しないにせよ、将来の幸福を開ける鍵は自分の手にしかないことを理解します。

 

4.6悲嘆

「殻に閉じ籠ってしまって、身の周りの始末さえできません」ダン:妻がレズビアン

自分の痛みを自覚し、連れ合いの性愛と性自認を認めた時、異性愛配偶者は次第に、生活の中で何を失ったか、何が変わったかを正視するようになります。失ったものは、伴侶、結婚生活、家族、自尊心、一貫性あるいは信念。それは深い悲しみを齎します。トランスジェンダーを連れ合いに持つ異性愛配偶者は、相手の外見が変化するのを見て悲嘆にくれるでしょう。中には悲しみを乗り越えられずに絶望して、自殺を念慮したり行動に移したりする人もいます。大多数は、失ったものを追おうとせず、ひとつひとつ解き放って行きます。そのうちに、今まで気づかなかった内なる力に目覚めて、現実を受け入れ、自分を取り戻し、生活に目的と意味を見出すのです。

 

4.7癒しと再建

「当時は痛みが消えるなんて思いもよりませんでした。乗り越えて来て良かったです。今では自信を取り戻し、自分のことも良しと思えます」リン:夫がゲイ

失ったものを追うのを止めると、自分に関心が向いて来て、傷ついた体や心や精神に何が必要なのが考えます。これまでの心の葛藤でどんなに消耗していることか。自分を甦らせる方法はたくさんあります。栄養価の高い食事、運動、自然に触れる、芸術を楽しむ、読書、瞑想などなど。外の助けが得られないと回復に手間取りますが、大多数は、自分から外に関心を向けて人と付き合い、自分の問題以外のこと、あるいは何か意味あることを探そうとします。そしてゆっくりではありますが、自分の性愛を歪みなく確認し始めて、再び人間を信頼し、健やかに生きるべく人生の指針を取り戻すようになります。最終段階では、過去に別れを告げ、結婚生活の楽しかった思い出と、その後のカミングアウトにまつわる辛い思い出を比べてみて、どちらも貴重な経験だと認識します。過去は過去として現在に焦点を合わせ、結婚生活を続けるにせよ、別れるにせよ、新しい未来を建設しようとします。連れ合いのカミングアウトに関わった全ての人と、起きた全てのできごとを受け入れ、許せると心の平和を得られるかも知れません。自分の良さを再評価し、新しいものの見方を取り入れて、その上に生活を再建します。まだ燻っている怒りを完全燃焼させて、再び生産的に前向きになる人もいます。同じ悩みを抱えている人を助けたり、社会的弱者のために活動を始める人もいます。どんな道を選ぶにせよ、異性愛配偶者の大多数は以前より精神的に逞しくなり、より賢くなるのは確かです。

 

5.子どもが抱える問題

異性愛配偶者の経験が様々なように、子どもの受け止め方も、年齢や発達段階によって違います。思春期の子どもは、心身の発達や変化と苦闘しながら、同時に、親の性愛や性自認についての新事実を理解しようとします。また、親のカミングアウトの意味は、子どもが成長するにつれて変わって来ます。親がゲイであるとか、トランスジェンダーであるという事実を受け入れるまでには、時間と物理的・心理的空間、支えを必要とします。以下は子どもが直面する共通の問題です。

 

5.1事実の伝達

「私たちは、子どもたちの恐怖を和らげるために、ピーターがどのように伝えるか、前の晩に練習しました」アリソン:夫がゲイ。3人の子どもに話した時のこと。

子どもは、他の人から聞くよりも親本人の口から、ゲイやレズビアンの事実を聞きたいものです。親がバイセクシュアルでも、トランスジェンダーでも同じ。成人した子どもたちが幼時を振り返って言うには、親のカミングアウトを早く知らされた方が、子どもは親に信頼されていると感じるそうです。両親がその場にいて、二人ともお前を愛しているよ、親がゲイであろうと親子関係は何も変わらない、と言ってくれれば子どもは安心するそうです。子どもの反応は様々ですし、親の前ではどう感じたかも出さないでしょう。両親が離婚することが明らかなら、子どもは皆、激しいショックと動揺を感じるでしょう。自分に、異性愛者の親に、そして家族の生活に不幸をもたらしたことに怒りを覚えます。親の仕事は、子どもが感情を処理して話せるように助けてやること。その際、辛抱強く愛情を表現しながら、子どもが言葉に表せるように仕向けてやります。異性愛者の親が、もうひとりの親(ゲイやトランスジェンダーである親)の味方だと子どもに伝え、何よりも、パパもママも決してお前と離れないと約束してやれば、子どもはより安心するでしょう。

 

5.2性愛と性自認の理解

「パパがカミングアウトした時?そんなに悪いことだと思わなかった。ただみんなと違うだけ。パパは前と変わらないよ」マーク:11歳。父親がゲイ。

親がゲイやトランスジェンダーだという新しい事実について、子どもの理解の度合いは年齢によって違います。事実を伝えられることは、子どもにしてみれば、これから辿る長い道のりのほんの出発点に過ぎません。親のカミングアウトが自分の生活にどんな意味を持つのか、経験しながら、時間をかけて子どもは理解します。幼い子どもは、次のように簡単に伝えれば理解します。「ママとパパは今でも愛し合っているし、君のこともとても愛しているよ。ただ、ママ(パパ)は、愛している人がもうひとりいるってこと」。トランスジェンダーの親を持つ子どもは、こう伝えるとわかります。「パパ(ママ)は姿が変わるけれど、これからもずっと今までと同じパパ(ママ)で君を愛しているからね」。学童期の子どもは、もう少しこみいった状況、例えば親が同性を好きだということを理解します。ただし、まだ性愛とか性自認について完全にわかるのは無理でしょう。思春期になると、かなり複雑な概念を把握できるようになるので、情報が必要になります。幼い子どもには両親の愛情を確かめさせて安心させるだけで十分ですが、思春期の子どもには更に、同性愛やバイセクシュアルやトランスジェンダーなどについて、より詳しい情報を与えるのがベストです。どの年齢でも、自分と違う種類の人間(特にゲイ)に対して、先入観や偏見を持っていた場合、親のカミングアウトという現実をなかなか受け入れられないでしょう。それでも、正確な情報や知識を得る機会に恵まれたり、異性愛者の親が受容している態度を見たりすれば、偏見から解放されるものです。思春期の子どもは、自分自身が性自認に向き合い、性役割を模索している最中です。従って、親のカミングアウトがいつであれ、子どもは自身の花開きかけた性愛や、性自認や人生の目標について考え込むことがあるでしょう。

子どもは、性愛や性自認に関する微妙で複雑な事柄について、自由に話せる雰囲気を好みます。親は、質問を促しながら、HIV/AIDSや安全な性交について、子どもとあけっぴろげに話し合って下さい。多くの親は、結婚前に必ず自分の性指向を確認するようにと、思春期の子どもや成人した子どもに伝えています。

両親から独立して、既に自分の価値観を確立した年嵩の子どもは、親のカミングアウトにあまりショックを受けないかも知れません。反応もいろいろです。親の新しい性指向やジェンダー転換を尊重する、道徳的/宗教的基準から親を裁く、異性愛者の親の方に感情移入する、両親の離婚に怒りを感じる、両親(または少なくとも親のひとり)が幸福なら良しとする者ありで様々。それでも、適切な情報と支えが得られれば、ほとんどの子どもは、ゲイやトランスジェンダーの親を今までどおり愛するものです。

年嵩の子どもは、自分の体験を使って、ゲイやトランスジェンダーの親を持つ他の子どもを助けようとします。支援グループとして、Children of lesbian & Gays Everywhere (COLAGE:ゲイ・レズビアンの親を持つ全子ども連) がありますし、また、地元のグループで活動を始める子どももいます。

「大人になってから、悪夢のような親権争いに発展した家族の話を聞きました。その時初めて、父のカミングアウトを、母がいかに適切に受け止めて処理したかわかって心から感謝しました」アビゲイル:父親がゲイ

 

5.3親の「特有の」外見と行動

「パパとバズは、女みたいな仕草をしながら歩いてたの。気持ち悪かった」リン:父親がゲイ

特に十代の子どもは、ゲイやレズビアン「特有の」親の仕草や、それらしい服装を嫌います。例えば、親が同性に見せるロマンティックな振る舞いが恥ずかしいのです。でも次第に、それは相手を気遣う思いやりや愛情から来るものだと分かります。慣れて来ると子どもは、ゲイの親や、その友人やパートナーと一緒にいることが楽しくなります。両親が離婚して、ゲイやトランスジェンダーの親と住むことになった子どもは、毎日の生活が、異性愛者の親がいた頃とほとんど変わらないのを発見します。トランスジェンダーの親を持つ子どもは、親の性指向に変化があったり、なかったりと様々ですが、共通するのは、親が新しい性に適合する過程で、外見や振る舞いが劇的に変わるのを目撃することです。結果として、COLAGE(ゲイ・レズビアンの親を持つ全子ども連)の共同創立者、ステファン・リンチが言うように、LGBTの子どもの何人かは「二つの文化」の中で育つことになります。異性愛者の親と、同性愛またはトランスジェンダーの親を持つことによって、其々の文化に触れ、親と共に経験するからです。

 

5.4同性愛嫌悪

「10歳の時、人を『ホモ」って呼ぶのは良くないと知っていた。でもどういう意味か知らなかったし、まさかそのひとりに会うなんて思ってもみなかった」ジョー:11歳。父親がゲイ

十代は特に、ゲイ差別発言に反応し怒りがエスカレートします。差別発言のある部分は親に対してだけでなく、その子どもを標的にしているからです。親がLGBTだから子どももLGBTだろうと、学校で苛められることもあります。親のことでからかわれると、みんなから辱められ仲間はずれにされたと思います。こんな時、親が、差別発言の中の間違った情報を訂正し、そんな発言は無知から来るのだと説明すると、子どもはとても助かります。もっと良いのは、からかわれた時にどう対処するか、知恵を授けてやること。例えば、悪口は無視するとか、時には正面きって反論するなどです。親がLGBTだと知られたために、友だちを失う子もいます。特に十代は、友だちを失うのが怖くて誰にも言いません。親のカミングアウトで気が滅入っている上に、悩みを友だちと話せないために、更に暗い方向に気持ちが向いてしまうことがあります。十代は、友だちと違うことを恐れ、仲間の反応を気にします。友だち第一の世界に生きていますから、孤立してしまうと、社会性が発達しません。その場合は、インターネット、あるいは、顔の見える支援グループに入って、同世代と悩みを共有すると良いでしょう。

 

5.5家族の崩壊

「誰が私たちを育ててくれるの?」スー:5歳、ジニー:9歳。ママがレズビアン。

ゲイ配偶者がカミングアウトした後、大多数の夫婦は、3年以内に離婚しているという数字があります(異性愛者とトランスジェンダーの夫婦については統計がありません)。おおむね子どもにとって、両親の離婚の方が、親のカミングアウトよりずっとショックが大きいものです。両親が離婚した場合、子どもは一様に、親に見捨てられたとか、どちらの親につこうかとか、お金の心配など、深刻な悩みを持つものですが、どちらかの親がLGBTであると不安は倍加します。両親は、離婚調停中にしろ、その後にしろ、子どもに言葉ではっきり愛を表現して会話を続け、しっかり支えてあげることです。両親を必要とする大切な時ですから。

 

5.6受容

「大好きなパパ。お祈りの時いつもパパのことを考えています」ジェフ:18歳。ゲイの父親への手紙で。

大多数の子どもは、両親の支えと持って生まれた回復力でもって、成人するまでには親のカミングアウトを受け入れることができます。話せる友だちが見つかれば、自分の体験を、より大きな視野に置いて理解しやすいでしょう。つまり、親がカミングアウトする前の家族生活と、今の新しい家族様式の両方を肯定して、新しい一歩を踏み出すことができるのです。事実を受け入れられない子もいますが、多くは、カミングアウトした親の正直さと勇気を評価しています。全ての子どもが親を理解するわけではないにしても、大多数は、今までと同じように親を愛し、親との関係を大事に思っています。

 

6.周りの人ができること

異性愛配偶者はしばしば自分の殻に籠ってしまいます。人に話すと嫌がられるかも知れない、特殊な悩みだから誰もわかってくれないと思い込むのです。ひとりで問題を抱え込み、どんどん落ち込んでしまいがちです。支えがないために、連れ合いのカミングアウトで受けたショックから、十分に立ち直れない人もいますが、大半は回復します。癒しや人間的成長は自分から求めてこそ得られるのですが、やはり、外から支えがあれば回復も早いものです。これを読んでいる貴方(LGBTの家族、配偶者、友人)が、閉じ籠った人の心の扉を叩いて、孤独の殻から出られるよう、手を差し伸べてあげて下さい。毎日、声をかけて支えてあげると、孤立と混乱のさなかにいた異性愛配偶者も、現実を受け入れ、癒しに向かって足を踏み出し、やがては諸々の問題を解決して、新しい生活を再建できるようになります。「異性愛配偶者ネットワーク」(Straight Spouses Network)の会員が、痛み、怒り、悲しみを前向きなエネルギーに変えられるよう、一緒に考えて行きます。支えの際に大切なことを下に挙げました。適切な支えを与えれば、異性愛配偶者もその子どもたちも、やがて、ゲイ差別のない社会に変えるために行動を起こせるようになります。

 

6.1異性愛配偶者を支える際に大切なこと

・個人的判断を下さずに、悩みに耳を傾ける。
・話の中で大切なポイントを掴む。
・今、感じていることを認めてあげる。
・自身の要求や欲求を満たすように励ます。
・状況を客観的に捉えるように促す。
・解決までの長い過程に耐えられる力を培う。
・今までの行動の中で、建設的なものを評価し、培われた精神力と叡智を思い出させる。
・自身の言葉を信じて行動に移すことにより、自身と人間に対する信頼を回復するように導く。
・外出を奨励する。お茶に誘ったり、食事や映画に連れ出したりする。
・感情の起伏が日毎に上下するから、電話で定期的に心身の状態をチェックする。
・ひとりではないこと、必要があればいつでも、「異性愛配偶者ネットワーク」の会員が駆けつけることを繰り返して伝える。

 

6.2情報源

他の異性愛配偶者や、その子どもたちと悩みを分かち合うことは、強い支えとなります。「異性愛配偶者ネットワーク」が配偶者同志の相互連絡を助け、他の支援グループ(現地およびオンライン)につなげることができます。「ネットワーク」は、会報の発行に加えて、「父親が子どもにカムアウトする時」、「親権をめぐる問題」、「カミングアウト後の結婚生活の維持」などの冊子を発行しています。異性愛配偶者が込み入った問題に立ち向かい、解決するには、専門のカウンセリングが必要な場合があります。大多数のセラピストは、性指向が不一致の夫婦や、トランスジェンダーと異性愛の夫婦を扱った経験を持ちませんが、「ネットワーク」は、実際にこの問題を扱って解決に導いたセラピストを紹介できます。

「ネットワーク」の連絡先は

「異性愛配偶者ネットワーク」[Straight Spouse Network]
Email: info@ssnetwork.org
Web: www.ssnetwk.org

LGBTの子どもと、その親を支える情報を必要としている方は以下を参照:

「レズビアン・ゲイの親を持つ全子ども連」[Children of Lesbian and Gays Everywhere (COLAGE)]
Email: collage@colage.org
Web: www.colage.org

「プライド家族連」[Family Pride Coalition (FPC)]
Email: pride@familypride.org
Web: www.familypride.org

 

7.用語解説

「LGBT」とは:レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーおよびトランスセクシュアルの略
「トランスジェンダー」とは:割り当てられた性別とは異なる性別で生きようとする人。
「トランスセクシュアル」とは:性別適合手術を受けて、割り当てられた性別とは異なる性別で生きようとする人
・「ゲイ、レズビアン、バイセクシュアル」を総称して「ゲイ」とよび、特に「レズビアン」や「バイセクシュアル」を指したいときはその旨を別に表記する。同様に、「トランスジェンダー」または「トランスセクシュアル」のみについて述べたい時もそれぞれ別に表記する。
「PFLAG」とは:米国のParents, Families and Friends of Lesbians and Gaysの略:レズビアンとゲイの親と家族と友人をつなぐ会。1972年、Jeanne Manfordがゲイの息子と、ニューヨークのゲイ・デイ・パレードに参加したことが始まり。多数のゲイから、自分の親に話して欲しいと頼まれて、1973年に初めての親の会を開く。小さな教会で出席者は20人。1981年に25人の親がPFLAGを創立、事務所をロス・アンジェルスに置く。現在は全米50州に250の支部、15か国に関連グループを持つ(日本の「LGBTの家族と友人を繋ぐ会」も海外グループとして2011年にリンク)。現在は、レズビアンやゲイだけでなく、バイセクシュアル、トランスジェンダー、トランスセクシュアルの親と家族と友人、および寄付者と支援者が多数所属する。

  • 出典:”Opening the Straight Spouse’s Closet” : Straight Spouse Network協力の下にPFLAGより発行:2001年
  • 和訳責任者:吉永世子(PFLAG Madison会員)
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